天気図を書こう


1.用意するもの

2.各地の天気を記入する通報地点一覧
    天気図用紙その他いろいろは、放送開始の5分ほど前から机の上に用意しておいてください。放送が始まってから用意していたんじゃ遅いです。1分2分で用意しているうちに5つ6つ行ってしまいます。それだけ情報が少なくなって等圧線が書きにくくなります。アラームなどセットしておくのもよいでしょう。
    放送が始まる前に日付を入れます。それから、フィリピンの「ラワーグ」という黒丸(茶丸?)を「○」に直しておきましょう。「ラワーグ」は 「バスコ」の副放送地点で、バスコからの入電がないときに読まれるんですが、数年前からバスコからの入電がさっぱりなくなってしまったので、ずーっとラワーグを使っています。
    気象通報の放送時間になると、「○時(○分)になりました。気象庁予報部発表の、○月○日午前○時(正午、午後○時)の気象通報をお伝えします。はじめに、各地の天気は、石垣島では・・・」と始まります。全国各地とロシア・韓国・中国・フィリピンのそれぞれ数箇所の風向・風力・天気・気圧・気温が読まれていきますので、それを天気図用紙の至る所にある「○」のところへ地点を間違えないようにボールペンで書いていくわけです。1週間ぐらい続ければ次の読み上げ地点が分かるようになり、スムーズに書けるようになります。そして1ヶ月もすれば、全ての放送地点の名前が覚えられることでしょう。No.1を使っていれば左側のメモ欄に上から順番に並んでいますので、とりあえずそこへ記入していくだけです(あとで右側に書き写す必要があります)。
    風向は16方位で表し、1本線で書きます。地点円(○のこと)からその方角に向けて伸ばします。例えば、「東の風」なら右側に伸ばすわけです。長さですが、始めは適当で構いません。何度も書いていればコツはつかめます。No.1の方は文字で記入するようになっていますので、自分の分かりやすい暗号で記入します。例えば東南東なら、「となと」「トナト」「ESE」など。ちなみに私はカタカナを使っていました(ひらがなより速いし、アルファベットはすぐ出てこないため)。やったことがないのでわかりませんが、そのまま漢字で記入していると放送についていけないと思います。
    風力はビューフォート風力階級を用い、12段階で表します。
    風力1(名瀬)  風力4(福江)  風力7(室戸岬) 風力8(室戸岬) 風力12(石垣島)
    このように、風力と同じ数の横棒を付けます。角度はだいたい60°ぐらいにします。だいたいですからね。45°〜80°に収まっていれば問題ないでしょう。60°が一番見栄えがいい、というだけのことで(ちゃんと決まってるのかもしれませんが)。長さは、先端は気持ち長め、あとはだいたい同じ長さにします。付ける場所は、風力1の場合は、長い棒の真ん中右側です。風力2は、長い棒の先端と中ほど、風力3からも同じように書いていきますが、長い棒は片側6しか容量がありません。風力7の場合は先端の反対側に付けます。風力8は、先端のすぐ下、反対側と同じ場所に付けます。図を見てください。地点円から離れていますね。これは寝ぼけて書いたから・・・ではなく、普通に書くとそのすぐ右の「潮岬」とカブってしまうからです。こうやってわざとずらすことはけっこうあります。柔軟に対処しましょう。そして、風力9、10、11と、根元に向かって降りていくわけですが、今回は特別に、めったに登場しない「風力12」をお見せいたしましょう(一番右)。このときは台風13号(サンサン)が石垣・西表両島を直撃し、甚大な被害をもたらしました。前代未聞の「928hPa」が放送されました。そのときの実際の放送 アナウンサーもびっくり
    天気記号は下に示すとおり21種類あります。とりあえず「快晴」「晴」「曇」「雨」「雪」「霧」「雷」「不明」だけは覚えましょう。あと、右下の「ニ」「ツ」「キ」の意味だけ知っていれば何とかなります。他のものが出てきたときは欄外にメモっておいて、あとで調べましょう。
    気圧は地点円の右上に、気温は左上にそれぞれ記入します。気圧は、下2桁だけを書きます。例えば、1013hPaなら「13」、1002hPaなら「02」と書けばいいわけです。たまに「997hPa」のように、1000hPa未満の場合がありますが、この場合も下2桁だけ取って「97」と書きます。気温はそのまま記入します。27℃なら「27」、3℃なら「3」、-25℃なら「-25」と書きます。気圧、気温は簡単ですね。ただ、読みやすい字で書くようにしましょう。あと、左と右を間違えないように。
3.船舶の報告を記入する
    基本的には上と同じですが、地点円を自分で書く必要があります。例えば「東シナ海の・・・」と読まれたら、サッと東シナ海へ移動できるようにしましょう。暇なときにどんな海域があるのか覚えておきましょう。「東シナ海の、北緯30°東経125°では・・・」と読まれますので、その地点に○を書きます。船舶の報告では「気温」は読まれません。気をつけてください。No.1の用紙には10箇所まで書けるようになっていますが、多くても8箇所までしか読まれませんのでご心配なく。
4.漁業気象を記入する
    高気圧や低気圧、台風や熱帯低気圧の中心に×印を付け、下に中心気圧、上に「」「」「台○○(号)」「熱低」もしくは「H」「L」「T○○」「TD」と書きます(私は後者)。進行方向は×から矢印を伸ばし、速度をその先に書きます。台風の場合は最大風速、暴風域、強風域、予想進路などを欄外にメモっておきます。
    前線は各地点に小さく×をつけ、あとで結びます。×印の代わりに前線の色で小さく・をつけておいても構いません。温暖前線は赤、寒冷前線は青、閉塞前線は紫、停滞前線は赤と青が交互、です。
    最後に日本付近を通る等圧線を何本か読み上げますが、複雑な場合は順番が分からなくなる恐れがあるので、間違えやすいところは分かるように短く線を引いておきます。直接記入せずに欄外に書いておくのもいいかもしれません。読み上げる等圧線は2本ぐらいのことが多いようです。私は読まれる等圧線ごとに色を変えて・を打っています。
    なお、アナウンサーが時間の配分を間違えると漁業気象の終りの方が猛烈なスピードで進行しますので、その場合は焦らず落ちついて聞くようにしてください。
5.天気図を完成させる
    まず台風の暴風域を赤で、強風域を黄色で、それぞれコンパスを使って書きます。このとき、緯度1°≒111 kmを使います。同じように予報円、暴風警戒域を適当な色で書き、台風の中心から予報円に向けて接線を、定規を使って引きます。私は黄色は見にくいのでオレンジで書いています。
    前線を書きますが、閉塞前線と温暖・寒冷前線の接続は要注意。「入」「人」の形はOKですが、「逆さY」の形はNGです。理論上そのような前線は存在しません。下の図で、左の低気圧は「入」型、右の低気圧は「人」型の前線を持っています。半円や三角の記号を使いたい方は下図を参考にしてください(私はいつもは色の線だけで済ませています)。閉塞前線がやや見にくいですが、半円と三角を交互に並べます。
    等圧線を書きますが、鉛筆やシャープペンシルなど消して書き直せるものを使いましょう。
    まずは漁業気象の最後で読まれた等圧線を書きます。ごくたまに、最後に等圧線を読んでくれないことがありますが、これはアナウンサーが時間の配分を間違えて読む時間がなくなってしまったためです。その場合は書きやすいものを適当に選んで書きましょう。その数値のポイントを結んでいけばいいわけですが、前線の所では上図のように低気圧側に曲げます。
    等圧線は2もしくは4hPaごとに引きます。どちらでも構いませんが、いろいろな本を見ると「初心者には2hPaごとをお勧めします」と書いてあるものが多いようです。私は新聞やテレビの天気図に合わせて4hPaごとで書いています。
    低気圧では中心に向かって間隔を狭く、高気圧では中心に向かって間隔を広くします。発達中や最盛期の台風ではコンパスを使って同心円を書きますが、中心付近を急激に混ませます。
    等圧線はあまりギザギザにしないようにします。「同じ気圧のところを結んでいくとそうなってしまう」というときは、相当ひどいときだけ適当に平均化してなだらかにします。
    一通り等圧線が書けたら、4hPaごとで書いた場合は980・1000・1020のように20hPaごと、2hPaごとで書いた場合は990・1000・1010のように10hPaごとに等圧線を太くします。私は黒のクーピーを使います。

天気図完成!!


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